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2007/10/25   われら猫の子


われら猫の子 われら猫の子
星野 智幸 (2006/11/10)
講談社
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 短篇集。
 2000年から2006年にかけての11篇。


 面白かったです。
 ちゃんと短篇を読ませてもらってる気になれました。
 この本なら読み返せます。

 紙に成りたがる女「紙女」ドン・キホーテを体中に入れ墨して燃えていく。
 「チノ」メキシコにゲリラになりにいった日本人。
 生殖を忌む「トレド教団」。
 「われら猫の子」誤解しあえる人。理解しあえる人。
 「ペーパームーン」ニセモノな世界。月と薄っぺらな自分たち。
 「翻訳実況中継」坊や、大人になりなさい。
 「夢を泳ぐ魚たち」きれい。
 「砂の老人」体内にアカシックレコード。
 「雛」いやん。
 「ててなし子クラブ」建設的。
 「エア」あっていい。なくてもいい。あればいい。なければいい。


 感想をうまく書けないので一言で簡潔にすまします。
 いつもながら、感想というよりもメモですね。
 「夢を泳ぐ魚たち」が好き。


 全体的に、ブラックでセクシャルでユモレスク。
 面白かったです。


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2007/10/20   ワーキング・プア


ワーキング・プア―アメリカの下層社会 ワーキング・プア―アメリカの下層社会
デイヴィッド K.シプラー (2007/02)
岩波書店
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 作者はピューリッツァー賞も受賞したことがあるというデイヴィッドさんです。
 それはともかく、アメリカのワーキング・プアについて。

 働いても生活が苦しい・生活できない。働けば働くほど生活が苦しくなる。
 以前より金を少しでも稼ぐと、例え生活が苦しくても福祉が受けられなくなる。
 ローンが必要になるほど金利が上がる。
 社会で生きていくための基礎知識〜金利・福祉・制度などについて〜がない。与えられない。

 まだまだあるかな。
 アメリカのカード社会とか、どう考えてもおかしいだろうという制度なんかについては小耳に挟んでいましたが、実体験談を読むとまたこれはひどいなあ。
 こういうことに関して、安易な私が思い出すのはバブルの崩壊とか、世界恐慌とかですが……アメリカ人間って何度同じことやっても懲りないんだな〜とむなしくなります。

 日本でもアメリカ的なカードの使い方になっていく、とか聞いたりしますけど……なるかなあ。借金に借金を重ねて生活するって、日本人そんな馬鹿かなあ。
 ……もうなってる?
 カードローンとかなんとか、耳障りのいいカタカナ言葉であろうがなかろうが、借金は借金、いずれは返さねばならぬもの。そんなもん借りるよりもいつもニコニコ現金ある時払いで地道に生きてったほうが物質面精神面にもいいと思うのですけども。

 ま、格差社会は確実に広まっているわけですから、そのうち日本も、この本に書いてあるようなことが起こる可能性は充分にあるわけですね。もう始まってる?
 この本読むと、国の経済成長・好景気と庶民の暮らしの安定が同義でないということがよくわかります。まあ、既に実感してることではありますが。

 やだなあ。がんばって民主党! あまり期待はしませんが。

 んーと、物欲を追い求める人たちがほどほどで満足することを覚えない限り、こういう社会的な歪みは消えないんじゃないかと思いました。
 そんでそのしわ寄せは弱者というか、下層社会にくるんだ。
 セレブ指向・嗜好とか、異常だと思う……。異常というか、アホだよね。

 何であんなに贅沢が好きなんだろう。わかんないわアタシ。
 ……うん、まあ、私は猫と本さえあればそれで満足してるからなんでしょうけどもね。
 わかりたくないわアタシ。

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タグ : 読書感想 ワーキング・プア

2007/10/19   12番目のカード


12番目のカード 12番目のカード
ジェフリー ディーヴァー (2006/09)
文藝春秋
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 読み始めてすぐに、どこかで見たようなシチュエーションだと気づきました。

 事故で脊髄に損傷を受けた科学捜査のプロ、リンカーン・ライム。
 動かせるのは頭から肩にかけて、そして左の薬指だけ。
 自宅に機器を持ちこんで捜査をしている。

 「ボーン・コレクター」だ!
 あの、犯人が判明するまでがめちゃ面白かった映画ですよう。
 私は名前覚えが本当に悪いので、いまひとつ確信が持てませんでしたが……やっぱりそうでした。
 ただ、映画ではライム役は黒人のひと(名前がわかりません)だったのですが、原作ではライムは白人のひとみたいです。映画の役者さんがめちゃカッコ良かったので、ちょっと残念……。
 しかし面白かったです。

 事件の被害者であるジェニーヴァという少女が図書館で暴漢に襲われるわけですが、その理由が140年前の事件にまで遡って……ていう事件の複雑さや伏線が最高でした。
 ジェニーヴァがまた賢くて鋭くてたくましくてすごくカッコイイです。
 彼女を狙う暗殺者も、冷酷でいかにも「追うもの」て雰囲気。映画「ボーン・コレクター」のときの犯人とは比べ物にならないほど、ええと、いい味出してました。

 ライムとサックスのコンビ……じゃない、カップル?も、オトナな感じにステキでした。ライムがリハビリをすごくがんばっていて、えらいなと思いました。小学生の感想だなこれ。ライムってば、すごい根性。見習いたいものです。

 アメリカのハーレムについても書かれてあり、興味深かったですー。言葉遊びのくだりとか。映画とかでよく見る、悪口の言い合いって「スナッピング」ていうんですね〜。遊びの一環なんだ〜。へえ〜。
 憲法修正第十四条の成立の経緯とかマメ知識もありました。アメリカって……。

 トリビアとクリーシェと場面展開がめまぐるしかったです。
 この感想じゃあまり説得力ないけど、面白かった。
 ブンガクに片足突っ込んでるエンターテインメントって感じでした。読み応えがあって、さらっと読めます。どっちもだ。
 とりあえずライムシリーズは読破したいです。

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タグ : 読書感想

2007/10/15   てのひらの中の宇宙


てのひらの中の宇宙 てのひらの中の宇宙
川端 裕人 (2006/09)
角川書店
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 母親が癌で入院している間、父親とふたりの子ども達が過ごした時間を描いた作品。

 感想として、もっともらしいことはいくらでも書けると思います。
 生命の輝きとか。生物のサイクルとか。繋がる命とか。感動したとか。
 でも……なんだか……なんだか……なんだろう。
 この神経のすみっこを爪楊枝でちくちくやられてるようなかんじ。

 父親目線のロマンティシズムとかノスタルジックなところが私と合わなかったのかもしれません。

 とてもやわらかいイメージで、綿菓子に包まれているような、真綿でじりじり締められてるような、読んでいる間はそんな気分でした。

 父親の、息子に受け継がれていく自分の経験とかDNAに対する畏敬の念とか。
 自分の少年時代を息子に重ねてる父親の姿とか。
 ウシロとか。

 ちくちくする。
 ああもうちくちくする。


 こういう感覚を突き詰めていけばどういう批判とか批評になるのかよくわかるので、あえて見ないようにしようと思います。

 ちくちくするー。

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